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​昆虫竹細工について

竹を素材にして昆虫を製作しています。

私が創る昆虫は決してリアルではありません。

標本、レプリカを作っているわけではないので厳密に寸法を測り、プロポーションを正確に創るよりも、見た目の印象・特徴、感覚を優先させます。

これは数値ではなく、観察力、想像力、デッサン力、経験値で決めることです。

また、それとは別に、強調したい部分を誇張して大きく作るなど、かなり情緒的な操作をおこないます。


昆虫などは、ほぼ1/1スケール(実物大)で創りますが、ディテール(解像度)をどこに設定するか、密度感をどうコントロールするかによって作品の緊張感・臨場感は大きく左右されます。

鑑賞するのは人の眼ですから、人の眼で判別できないようなディテールを作り込んでもあまり意味のない気がします。むしろ要素を間引いて、想像する余地を残しておく方が作品としてのリアリティーが生まれるような気がします。

 

人の眼が小さな作品を鑑賞する。本物と作品の隙間や色彩を知識や経験、想像力で埋め合わせる。それがこの竹細工を鑑賞する楽しさだと思います。

そしてその埋め合わせ方を決めること、つまりディテールを決定するということが、作品を創る難しさであり楽しさだと思っています。

                                                                         

   制作者 齋藤 徳幸

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